ピラティスとは?姿勢改善につながる理由をわかりやすく解説【初心者向け】

「姿勢を良くしたいけど、何から始めればいいのかわからない…」そんなときによく挙がる選択肢のひとつが、ピラティスです。
では、なぜピラティスが姿勢改善に効果的だと言われているのか、そもそもピラティスとは何かという基礎から、わかりやすく解説します。
ピラティスとは何か
ピラティスは、ドイツ生まれのJoseph Hubertus Pilates(ジョセフ・フーベルトゥス・ピラティス)が20世紀初頭に考案したエクササイズメソッドです。
第一次世界大戦中、イギリスの収容所に抑留された際に、抑留者の健康維持や負傷者のリハビリを目的として運動指導を行ったことをきっかけに体系化されました。1
戦後はニューヨークでスタジオを開設し、ダンサーの身体づくりや怪我予防の分野で広まり、現在では一般の健康づくりや医療・スポーツ分野にも応用されています。
このピラティスの特徴は、一般的な筋力トレーニングのように筋肉を大きくすることを主目的とするのではなく、腹横筋や多裂筋などのインナーマッスル(身体を内側から支える筋肉)を活性化し、体幹の安定や身体のコントロール力を高める点にあります。
- 姿勢の改善(猫背・反り腰・巻き肩など)
- 体幹の強化(疲れにくい身体づくり)
- 肩こり・腰の違和感の軽減
- 深い呼吸の習慣化(自律神経の安定につながる)
- ボディラインの変化(引き締まる)等
ピラティスと、ヨガや筋トレとの違い
| ピラティス | ヨガ | 筋力トレーニング | |
|---|---|---|---|
| 目的 | 体幹の安定・姿勢改善・運動制御の向上 | 心身の調和・柔軟性向上 | 筋力向上・筋肥大・パフォーマンス向上 |
| 主なアプローチ | 体幹を安定させながらコントロールして動く、小さく正確な動きが中心。 胸式呼吸と動きを連動させることで、体幹の安定を保ちながら背骨や骨盤を整える。 | ポーズを一定時間保ちながら、呼吸に合わせて身体を伸ばす、静的な保持が中心。 腹式呼吸法や瞑想を取り入れ、心身のバランスを整える。 | ダンベルやバーベル、自重などで負荷をかけ、一定回数の反復によって筋肉に刺激を与える、高負荷・反復運動が中心。 重さや回数、セット数を設定し、段階的に負荷を高めていくのが基本。 |
| 起源 | Joseph Pilatesが20世紀初頭に考案 | 古代インドの修行体系 | 近代スポーツ科学・ウエイトトレーニング理論 |
姿勢が悪くなる原因とは

では、そもそも姿勢が悪くなってしまう原因について、具体的にどのようなものがあるかを紹介します。
①長時間の同じ姿勢(生活習慣)
デスクワークやスマートフォンの長時間使用など、前かがみの姿勢が続くと、筋肉はその形に適応していきます。
その結果、胸は縮み、首は前に出て、骨盤も傾くといった、「崩れた姿勢」が固定されやすくなります。
これは見た目だけの問題ではなく、本来分散されるはずの負担が首や肩、腰に集中しやすくなり、疲れやすさや慢性的な不調につながる原因となります。
②体幹(インナーマッスル)の弱さ・筋バランスの崩れ
姿勢は「意識」だけで保てるものではなく、筋肉によって支えられています。とくにお腹や背中の深層にある筋肉(インナーマッスル)は、骨盤や背骨を安定させる土台の役割を担っています。
しかし、これらの筋肉が十分に働かないと、身体をまっすぐに保つことが難しくなります。
さらに、胸の筋肉が硬くなり、背中やお腹の筋肉が弱くなると、身体は前に引っ張られやすくなります。支える力が不足しているため、正しい姿勢を維持できず、崩れた状態がそのまま定着してしまうのです。
③背骨の可動性低下と呼吸の浅さ
背骨は本来、首から腰までゆるやかなカーブを描きながら、それぞれが連動して動く構造になっています。そのため、日常動作の負荷は自然に分散されるようにできています。
しかし、長時間同じ姿勢が続くなどして背骨の動きが硬くなると、本来なら全体で受け止められるはずの負担が特定の部位(首や腰など)に集中しやすくなります。その結果、慢性的なこりや違和感につながることがあります。
さらに、呼吸が浅い状態が続くと胸郭の動きが小さくなり、胸が開きにくくなります。胸が閉じた姿勢は自然と背中を丸める方向に働くため、猫背を助長する一因となります。
ピラティスが姿勢改善につながる理由

①インナーマッスルを重点的に強化するから
ピラティスでは、腹横筋や多裂筋などの深層筋(インナーマッスル)を活性化し、骨盤と背骨を安定させます。
具体的には、ゆっくりとした呼吸に合わせてお腹をやさしく引き込みながら動いたり、仰向けや四つ這いの姿勢で背骨を丁寧に動かしたりします。
激しく動くのではなく、「体幹を安定させたまま手足を動かす」練習を繰り返すことで、身体の内側の筋肉を自然に使えるようにしていきます。
②背骨の可動性を高める
背骨は本来、しなやかに動く構造です。しかし現代人は胸椎が固まりやすく、腰だけで動こうとして反り腰になるケースが多く見られます。
たとえば、上を向こうとしたときに胸から反るのではなく、腰だけを大きく反らせてしまう動きです。本来は胸椎も含めて背骨全体がなめらかに動くべきところを、一部だけが過剰に働いてしまいます。
ピラティスでは、「ブリッジ」や「キャット&カウ」のように、背骨を一つずつ丁寧に動かすエクササイズを行います。こうした練習を通して背骨全体の動きを取り戻すことで、特定の部位に頼る代償動作が減り、より自然な姿勢を保ちやすくなります。
③呼吸を整える
ピラティスでは胸式呼吸を用います。息を吸うときに肋骨を横に広げ、吐くときにお腹をやさしく引き込む呼吸法です。
呼吸に合わせて肋骨をしっかり動かすことで、胸まわりに自然な広がりが生まれます。さらに、吐く動作で体幹を安定させることで、背骨を支える力も高まります。
その結果、無理に背筋を伸ばさなくても、胸が開きやすく、安定した姿勢を保ちやすくなります。
ピラティスはこんな人に向いている
- デスクワーク中心の人
- 猫背や反り腰が気になる人
- 肩こりや腰の違和感がある人
- 激しい運動が苦手な人
- 体幹を安定させたい人
- 見た目の印象を整えたい人
「姿勢を良くしたいけれど、何から始めればいいのかわからない…」そんな人にとって、ピラティスは取り入れやすい選択肢のひとつです。激しい運動や特別な体力は必要なく、呼吸とともに身体を整えていくメソッドのため、運動が久しぶりの人でも始めやすいのが特徴です。
また、単に背筋を伸ばす練習をするのではなく、姿勢を支える筋肉を内側から働かせるため、無理なく正しい姿勢を保ちやすくなります。日常生活の中で自然に姿勢が整っていく感覚を得られる点も、続けやすさにつながっています。
ピラティスとは?姿勢改善につながる理由をわかりやすく解説 まとめ
ピラティスは、単なるエクササイズではなく、「身体の使い方」を身につけていくトレーニングです。姿勢を一時的に整えるのではなく、正しい姿勢を無理なく保てる身体を育てることを目的としています。
継続は必要ですが、その分、身体の土台から見直すことができます。姿勢を根本から改善したいと考えるなら、ピラティスは現実的で理にかなった選択肢のひとつと言えるでしょう。


